昭和四十一年十二月二十日
条例第六十三号

(目的)

第一条 この条例は、谷川岳における岩場地帯の登山に関し、必要な事項を定め、登山者の遭難を防止することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「危険地区」とは、別表に掲げる地区をいい、「登山」とは、危険地区に立ち入ることをいい、「登山者」とは、危険地区に登山する者をいう。

(登山者の守るべき事項)

第三条 登山者は、登山が常に遭難の危険を伴う行動であつて、遭難の発生は本人及び家族等の不幸だけにとどまらず、社会的にも大きな損失であることを深く自覚し、遭難防止のために万全の注意と配慮をし、特に次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

一 危険地区について十分な知識を持つように努め、周到な準備及び綿密な計画を立てること。

二 危険地区に相応する技術、体力等があるかどうか十分見きわめをつけるとともに、より高度の技術及び経験を有する者から適切な指導を受けるように努め、無理な登山はしないこと。

三 行動及び日程に余裕を持つように努め、かつ、装備を十分に整え、慎重に行動すること。

四 気象等に十分留意し、天候が著しく悪いとき又はなだれ、落石等のおそれのあるときは、登山を見合わせ、及びなだれ、落石等のおそれのある地点の登山を避けること。

五 避難小屋等の遭難防止のための施設を利用するときは、その良好な保全に留意すること。

(登山指導センター及び登山指導員)

第四条 危険地区における遭難防止の事務を処理するため、毎年二月十八日から十一月三十日までの間、群馬県谷川岳登山指導センター(以下「登山指導センター」という。)を利根郡みなかみ町に設置する。

2 登山指導センターに、登山指導センターの長(以下「所長」という。)及び登山指導員を置く。

(登山指導員の職務)

第五条 登山指導員は、所長の命を受け、次の各号に掲げる業務に従事する。

一 登山者に対し、遭難防止上必要と認めた事項を指示すること。

二 危険地区を巡視すること。

 その他遭難防止について所長が特に命じた業務

(冬山に対する心得)

第六条 十二月一日から翌年二月末日までの間(以下「冬山の期間」という。)は、危険地区に登山しないように努めなければならない。

(特殊な条件下における登山の一般的禁止)

第七条 知事は、冬山の期間を除く期間内において、天候が著しく悪い場合、気象の激変が予想される場合又はなだれ、落石等のおそれがある場合において、登山することが著しく危険であると認めたときは、日又は時間を定め、危険地区の全部又は一部を指定して登山を禁止することができる。

2 知事は、前項の規定により登山を禁止したときは、登山口その他見やすい場所にその旨を掲示し、かつ、一般に周知するように適切な措置を講じなければならない。

(登山届の提出)

第八条 冬山の期間を除く期間内に危険地区に登山しようとする者は、少なくとも次の各号に掲げる事項を記載した登山届二通を作成し、登山しようとする日の十日前までに所長に提出しなければならない。この場合において、二人以上の者が同行して登山しようとするときは、その代表者が提出することができる。

一 住所、氏名、性別及び年齢

二 山岳団体に所属している場合は、その団体名

三 登山歴

四 行程及び日程

五 装備及び食糧

六 非常の際の連絡先

2 前項の登山届は、所長が特別な事情があると認めた場合においては、登山しようとする日の前日までに提出することができる。

3 登山者は、登山前に、第一項の届出事項を変更したときは、すみやかにその旨を所長に申し出なければならない。

4 遭難救助に従事する者その他知事が特に認めた者については、第一項の規定は適用しない。

(登山届の受理及び指示)

第九条 所長は、前条の登山届を受理したときは、そのうちの一通に規則で定める登山届出済の印を押し、かつ、必要と認める指示事項があるときは、これを記載して当該届出者に交付する。

(登山届に代わる登山計画書の提出)

第十条 山岳団体の連合体であつて、都道府県の区域を単位として組織されているもの(社団法人日本山岳協会(昭和四十二年五月二十八日に社団法人日本山岳協会という名称で設立された法人をいう。)又は日本勤労者山岳連盟の構成員であるものに限る。)に所属する団体の会員であつて、当該団体又はその代表者から登山の技術、経験等に関し、特に証明書を交付された者にあつては、第八条第一項の登山届に代えて、登山計画書一通を登山しようとする日までに提出することができる。この場合においては、第八条第一項後段の規定を準用する。

2 前項の登山計画書は、第八条第一項第一号、第四号及び第六号に掲げる事項を記載したものであつて、かつ、所属山岳団体又はその代表者の検認を経たものとする。

(届出済書等の提示)

第十一条 登山者は、常に第九条の規定により交付された登山届又は前条第一項の証明書を携帯し、登山指導員から請求があつたときは、提示しなければならない。

 

(身分証明書の所持)

第十二条 登山指導員は、業務に従事するときは、常に規則で定める身分を示す証票を所持し、関係者から請求があつたときは、提示しなければならない。

(遭難があつた場合の関係先への通報)

第十三条 所長及び登山指導員は、遭難を発見し、又はその旨の連絡を受けたときは、直ちに関係先へ通報し、適切な措置がとられるようにしなければならない。

(罰則)

第十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

一 第七条第一項の規定に違反して登山した者

二 第八条の登山届又は第十条の登山計画書を提出しないで登山した者

一部改正〔平成四年条例一一号〕

(委任)

第十五条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、昭和四十二年一月一日から施行する。

附 則(平成四年三月二十六日条例第十一号)

1 この条例は、平成四年四月一日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成十七年六月十七日条例第五十八号)

この条例は、平成十七年十月一日から施行する。

附 則(平成二十年十二月二十六日条例第六十号)

この条例は、公布の日から施行する。

 

別表

一 谷川岳東面に属する利根郡みなかみ町大字湯檜曾字湯吹山国有林内の次の地区

イ マチガ沢 十九林班「ほ」小班及び「ワ」小班のうち、一の沢、西黒尾根、谷川岳頂上からオキの耳に至る尾根、東尾根及びシンセン沢で囲まれた岩場地帯

ロ 一の倉沢 十九林班「ほ」小班及び「ワ」小班のうち、一の沢出合からシンセン岩峯に至る尾根、東尾根、オキの耳から一の倉岳に至る尾根、一の倉尾根及びツイタテ前沢で囲まれた岩場地帯

ハ 幽の沢 十九林班「ほ」小班及び「ワ」小班のうち、一の倉尾根、カタヅミ尾根、カタヅミ岩からカタヅミ沢出合に至る線及び県道六日町水上線で囲まれた岩場地帯

二 谷川岳南面に属する利根郡みなかみ町大字谷川字富士山国有林九林班「い」小班及び「ロ」小班並びに十林班「ろ」小班「は」小班及び「ほ」小班のうち、谷川本谷、本谷の頭から川棚の頭に至る尾根、俎ー尾根、オジカ沢の頭から 谷川岳肩の広場に至る尾根、天神尾根及びイワオ新道で囲まれた岩場地帯

注 この表における林班(小班を含む。)は、国有林野経営規程(昭和三十三年農林省訓令第二号)第七条の規定により定められた昭和四十二年一月一日現在における林班の表示とする